others

ネガティブ感情は悪いことか

ネガティブ感情が悪いことだと思っている人へ。

「また落ち込んでる」「こんなにイライラしてるなんて、私は器が小さいんだろうか」
誰かに言えず、胸の内にそっとしまい込んだ感情たち。
私たちはいつから「ネガティブな感情は悪いもの」だと信じるようになったのでしょうか。

SNSを開けば、前向きな言葉が並びます。「ポジティブでいよう」「過去は振り返らない」「笑顔でいれば幸せがやってくる」——
もちろんそれらの言葉が悪いわけではありません。でも、そうした言葉に押し流されるように、自分の中のマイナスの感情を「ダメなもの」「無くすべきもの」と捉えてしまうと、だんだんと自分自身の“感情そのもの”にフタをしてしまうことになります。

でも、感情に「良い」「悪い」のラベルを貼るのは、本当に正しいのでしょうか?


感情はすべて「自分を守るため」にある

心理学では、ネガティブな感情は人間が生き延びるために必要な反応だと言われています。
たとえば「不安」は、未来への備えを促すアラーム。「怒り」は、自分の尊厳や大切なものを守ろうとする心の反応。「悲しみ」は、失ったものを受け入れるためのプロセスです。どれも、私たちがただ“生きていく”ためだけではなく、“よりよく生きていく”ために備わっている機能なのです。

ネガティブな感情は、自分の内側にある「価値」や「願い」を教えてくれるメッセージでもあると私は考えています。
たとえば、大切な人に冷たくされたときに感じる悲しみの奥には、「本当はもっと繋がっていたい」「大切にされたい」という願いが隠れているのではないでしょうか。
イライラの裏には、「ちゃんと分かってほしい」「頑張ってるのに報われない」という思いが潜んでいることもあります。

感情に耳を傾けるということは、自分の本音に気づいてあげること。
それは、自分自身との信頼関係を育てる第一歩でもあります。


「ネガティブ=未熟」ではない

歳を重ねていくと、家庭・仕事・健康など、さまざまなテーマが重なるタイミングがありますよね。
若い頃よりも経験を積み、自分なりの価値観がはっきりしてくる一方で、「このままでいいのか」と立ち止まりたくなる瞬間も増えてくるのではないでしょうか。

そんなとき、イライラしたり、落ち込んだり、自分の感情が揺れるのは、実はとても自然なことだと思います。
むしろ「もう大人なんだから」と感情にフタをし続けることの方が、心に負担をかけてしまうかもしれません。

ネガティブな感情は、「未熟さ」の証ではなく、「自分を大事にしたい」という願いの表れです。
たとえば、人間関係でモヤモヤしたとき、それは「ちゃんと関わりたい」「分かり合いたい」と思っている証拠。何も感じなくなってしまう方が、よほど心は疲れているのではないでしょうか。


感情に「善悪」はない。ただ、そこにあるだけ

ネガティブな感情がわいたとき、私たちはつい「こんな風に感じる自分がいけない」と思ってしまいがちです。
でも本当は、「そう感じている」ことそのものに、良いも悪いもないと思います。

うれしいときには自然に笑顔になるように、悲しいときには涙が出る。
それは人間らしく生きている証であって、何も間違っていないです。

ネガティブな感情がやってきたときは、無理に追い払おうとせず、「ああ、今、私はこう感じているんだな」と静かに見つめてみてください。
その奥に、自分がどんなことを大切に思っているのか、どんなふうに生きていきたいのか——少しずつ見えてくるはずです。


感情は、あなたの一部です。

感情には波があります。いつも晴れやかな日ばかりではないように、心にも曇り空や嵐がやってきます。
けれど、そのすべてを含めて「あなた」なのだと思います。

ネガティブな感情があるからこそ、優しさや強さが生まれる。
誰かの痛みに寄り添えるのは、自分も痛みを知っているからです。

だからもし今日、心が少し曇っているのなら、そんな自分も「悪くない」と思ってみてください。
その気持ちに、そっと寄り添ってみてください。

感情を「正す」のではなく、「受けとめる」こと。
それが、自分自身との関係を少しずつあたためていく、やさしい一歩になると思います。

https://select-type.com/rsv/?id=tPmjurDQByE

https://note.com/kana872/n/n72667a43d50a

https://note.com/kana872/m/mdaaed40b78fd

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    PAGE TOP