「確証バイアス」って知っていますか?

〜私たちが気づかないうちに見落としていること〜
「やっぱりそうだった」「ほら、やっぱりね」。
日々の生活の中で、私たちはこんな言葉をよく口にしています。ちょっとした予感が当たったとき、過去の経験と今の出来事が一致したとき。なんだか嬉しくなる瞬間ですよね。
でも、その「やっぱり」という感覚には、実は私たちの心のクセが関係しているかもしれません。それが今回のテーマ、「確証バイアス」です。
自分に都合のいい情報だけ集めていない?
確証バイアス(Confirmation Bias)とは、「自分の考えや信じていることに合致する情報ばかりを集めたり、そう見えるように解釈したりする心のクセ」のことです。逆に、自分の意見に反する情報や証拠は無意識に避けたり、軽く見てしまう傾向があります。
たとえば…
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「占いは当たる」と信じている人は、当たったことばかり覚えていて、外れたときのことは忘れている。
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「あの人は冷たい」と思い込んでいると、たまたま無愛想だった瞬間だけを強く記憶して、やさしかった場面は見逃してしまう。
このように、知らず知らずのうちに、自分の信じたいことを強化する情報だけを集めてしまうのが確証バイアスです。
どうして私たちは、偏った見方をしてしまうのか?
一番の理由は、「安心したいから」だと言われています。
私たちは常に、無数の情報にさらされています。そのすべてをフラットに判断するのは、脳にとってとても大きな負担です。だからこそ、自分の考えに合った情報だけを選ぶことで、余計な混乱を避けようとするのです。
また、何かを信じることで「自分は間違っていない」と感じられる。これは、自分のアイデンティティや自信を保つうえでも、とても重要な感覚です。
つまり、確証バイアスは「心を守るための防衛反応」でもあるのです。
確証バイアスがもたらす落とし穴
ただし、このバイアスが強く働きすぎると、私たちは大事なものを見落としてしまいます。
たとえば、仕事で新しいやり方を提案されたとき。「昔からこの方法でうまくいっている」と思っていると、変化に対して必要以上に否定的になり、新しい可能性を閉ざしてしまうかもしれません。
また、人間関係でも「あの人は自分を嫌っている」と決めつけてしまえば、たとえその人が優しい言葉をかけてくれても、「社交辞令だろう」と感じてしまう。こうしてすれ違いが生まれることもあるのです。
バイアスに気づける人が、成長できる人
確証バイアスを完全になくすことはできません。人間である限り、誰しも何らかのフィルターを通して世界を見ています。
でも、「あれ?今の私は、自分に都合のいいことばかり探していないかな?」と、立ち止まって考えることはできると思います。
もし誰かと意見が違ったときには、「なぜ相手はそう思うのか?」と一度受け止めてみる。
「自分の見方は、他にもあるたくさんの見方のうちのひとつかもしれない」と思えたとき、物の見え方はぐっと広がります。
いつも正しい必要なんて、ない
確証バイアスに気づくことは、「正しさ」にこだわらなくてもよくなることでもあります。
自分が間違っていたっていい。考えを変えてもいい。何度だってやり直していい。
そう思えたとき、他人の意見にも、変化にも、もっと柔らかくなれる気がします。
最後に
私たちはみんな、自分なりの「メガネ」をかけて世界を見ています。
そのメガネがあるからこそ安心できるけれど、ときどきそれをはずしてみる勇気も必要です。
「もしかして、自分が思っているほど“わかっている”わけじゃないかもしれない」
その気づきこそが、他者との対話を深め、より自由に生きるきっかけになるのだと思います。
確証バイアスという言葉に出会った今日が、「自分の見え方を問い直す」始まりになるとしたら、それはとても素敵なことかもしれません。
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https://note.com/kana872/n/n72667a43d50a
https://note.com/kana872/m/mdaaed40b78fd